早朝をあじわう

  秋が深まってまいりました。少しずつ街路樹も赤や黄色に色づき始め、冬支度に入ろうという感じが漂っています。近くの金山川にはたくさんのコスモスが植えられ、深く青い空とのコントラストがとてもきれいです。今年も秋を存分に味わいたいと思います。

 私は休日の早朝、金山川沿いをよく歩きます。30分~1時間程度歩いています。もちろん、休日なのでゆっくり寝たいという思いもありますが、それ以上に金山川を早朝に歩くと、とても心地よいのです。

 冒頭にも挙げましたが、とくにこの季節は最高の気分を味わうことができます。朝5時に起床し、30分程度で身支度を終えたら、空腹のまま、黙々と歩きはじめます。からだじゅうの空気を全て吐き出して、スッと吸い込むと早朝の空気はひんやりして、とても澄んでいて、からだの全細胞がよみがえるような感覚を覚えます。

 金山川では、春は桜やチューリップ、初夏はあじさい、秋はコスモスととても色鮮やかな草花がきれいに植えられており、その一本一本から生命を感じます。川に目をやると、小魚がえさを求め跳びはねており、カモやサギなどの野鳥が水面に首を突っ込み、腹ごしらえをしています。東に位置する皿倉山から朝焼けが見え、その空のグラデーションはとても鮮やかです。しばらく歩いているとお日さまは完全に顔を出し、エネルギーに満ち満ちた朝へとなります。私は、こうした大自然を前に心静かに黙々と歩くのが好きになりました。ふつふつと湧いてくる喜びに似た幸福感を味わうことができます。同じコースを歩きますが、一日たりとして同じ日はありません。いつも様々な変化が見られます。また、それを感じる私の心も毎日変化しています。そう思うと早朝を歩くことがとてもワクワクしてきます。

 いつも私は何かを考えています。考えても、考えても答えが出ない時があります。そんな時は、自然の中を歩くと心がスッキリします。頭を空っぽにして、自然に意識を向け、黙々と歩くことでモヤモヤが晴れるような感覚となります。よいアイデアが浮かぶ時もありますが、それを期待せずに、ただひたすら自然に意識を向けて歩くことで、早朝を味わうことができます。健康で今日一日スタート切れたことに感謝しながら、これからも早朝を味わいたいと思います。