ものの見方をかえてみる

  暑さが本番となってきました。毎年暑さが増してきているような気がするのは私だけでしょうか?(笑)ここ一ヶ月で近くの田んぼの稲もすくすくと背を伸ばし、驚くべき成長を遂げています。稲の成長に励まされつつ、私もこの夏に負けないよう成長していきたいと思います。皆さまも水分をしっかり摂ってご自愛ください。

 近所の街路樹にある「ヤマボウシ」は6~7月に白い花が満開となり、夏の終わりに赤い実をつけます。ところが木輪のテラスにある「ヤマボウシ」には葉ばかりが生い茂って、「花は咲かないし、実もつけないな」と思っておりました。ところがある日、遠くからお店の方に向かって歩いてきますと、私の背丈の倍ほどの高さにあたる木の頭頂部に白いきれいな花が咲いているのを見つけました。いつも私はテラスに立ち、木の下から見上げていたので生い茂った葉に隠れて気がつかなかったのだとわかりました。このように私たちはある一方向からしかものごとを捉えずに判断し、決めつけてしまうことが多いのではないでしょうか。

 私は昔コーヒーが苦手でした。「苦い」という一面だけで「嫌い」と判断していましたが、その奥にある香ばしさやスッキリとした酸味など味わうことによってコーヒーの美味しさを実感できます。また、嫌いな人がいても、学生の時は関わりを持たなければよかったのですが、社会人ともなるとそのような人とも仕事しなければなりません。嫌いなところばかりに注目していきますとどんどん嫌いになるばかり。ところが、そんな人がふとした優しさを見せたときに急に素敵な人に思えたりします。そして、仕事においても自分が得意な仕事、好きな分野は率先してやりますが、苦手な仕事や不得意なことにはなかなか着手しようとしません。人があまりしたがらない仕事にこそ自分にしかできない本当の価値や意味があるのではないかと思います。 

 このように、ものごとを一面的に見るのではなく多面的に見ることによって、モノ、人、仕事とその本質をより深く知ることができ、人生がより豊かな充実したものになるのではないかと思いました。

 これからも今回の「ヤマボウシ」の木のように近くからばかり見て判断するのではなく、たまには遠くから眺めるといった見方をしていきたいと思います。