昨シーズンの冬とは打って変わって、強い寒波が押し寄せ、厳しい寒さが続いております。同時にインフルエンザが猛威をふるい、十年ぶりの大流行となっています。予報では、春へ向けて気温上昇の時期が早まるとの見通しもあり、春を待ち遠しく思いつつ、今の寒さを乗り切っていきたいと思います。
私は、世の中は公平で皆同じようにチャンスが与えられているように思います。そして、チャンスを上手く活かせるかどうかは、その人の「機敏さ」によって左右するものだと思うようになりました。「機敏」とは、時機を逃さず、すばやく判断し、行動に移すことです。
私はこの「機敏さ」に欠けており、タイミングを幾度となく失してきたような気がいたします。
半導体メーカーの営業をしていた時の話ですが、海外出張に行く機会がありました。はじめての海外出張では緊張もあり、準備に入念でしたが、3回目くらいになりますと少し慣れが出てきたのか緊張感が薄れていました。海外出張が決まるとパスポートの確認と飛行機のチケット手配を第一にするということが必要となります。チケットの手配はすぐにしましたが、パスポートは「この前海外に行ったし、いつものところにあるだろう」と思い込んでいて確認をしていませんでした。
そして、出発の前夜となり、着替えなど準備をしている時にパスポートを確認すると、いつもの場所にはありませんでした。部屋中を探し回りましたが、見当たりません。実家に電話し、考えられる場所を探してもらいましたが、それでもありません。徹夜で探しましたが、とうとう朝になっても出てきませんでした。往復の飛行機代、現地での宿泊費用、お客様や現地スタッフの予定を全てキャンセルするという大失態をおかしました。出張が決まってすぐに確認する「機敏さ」があれば、もし仮に紛失していても再発行にじゅうぶん間に合っていました。
自己中心的な考えや思い込みというものが「機敏さ」を失わせてしまいます。自分の都合を優先させ、勝手な解釈をしてしまう悪いクセが強くはたらいている証拠です。反対に、「相手を安心させたい、喜ばせたい」「時間的な余裕を持って質を高めよう」という思いが強くはたらくと機敏な行動となり、自ずとチャンスは活かされていくでしょう。
今後とも「機敏さ」を強く意識し、自分の都合はいったん横におき、何事も相手を思いやる余裕をもった行動を心がけていきます。